【エレベーター用語解説】UCMP戸開走行保護装置とは?

お役立ち情報

エレベーターのリニューアル工事の際によく出てくる、専門的な用語ってややこしくないですか?
何回か説明されたけれども、見積もりを見直してみたらこれって何の為につけないといけないのか思い出せないなんてこともあると思います。
今回はそういったエレベーターの専門的な用語のUCMP(戸開走行保護装置)について解説をさせていただきます。

1 戸開走行保護装置の具体的な内容

【エレベーター用語解説】UCMP戸開走行保護装置とは?

【エレベーター用語解説】UCMP戸開走行保護装置とは?

戸開走行保護装置とは?
具体的には下記の3つの機能を有したものである必要があります。

2つの独立したブレーキにより片側のブレーキが故障しても、もう片方のブレーキで、かごを保持できる

通常の制御とは別に独立した制御を持ち、片方の制御で異常が起こっても、もう一つの制御でかごを制御して停める事が出来るもの

かごの移動を検知する装置(特定距離感知装置等)で、ドアが開いている状態で、かごが乗り場から一定距離以上動いたかどうかを判定する機能を持っている

UCMP(戸開走行保護装置)とは、”2つの独立したブレーキ”と”通常とは別の独立した制御回路”を持たせて、扉が開いた状態でかごが乗り場から一定距離以上動くとエレベーターを安全の為、停めてしまう装置です。
何らかの原因でブレーキの制動力が無くなってしまた場合でも、もう1つのブレーキでかごを保持出来たり、通常の制御プログラムが故障してしまった場合でも、もう一つの制御回路で安全に停止さす事が出来るもので、ブレーキと制御に対して二重の安全を考えて作られた装置になります。

2 なんで新設時に設置が義務付けられた?

2006年東京都港区のマンションで当時高校生が、エレベーターの扉が開いたまま動き出し挟まれてしまうという痛ましい死亡事故が発生ました。
これを受け2009年9月に建築基準法が改正され、新設のエレベーターに関しては、戸開走行保護装置(UCMP)の設置が義務化されました。

3 設置するかどうかの判断基準

2009年9月以降に設置された、エレベーターであれば設置が義務化された後なので、取り付けようか悩む必要はありません。
しかし、世の中の大半は、2009年9月以前に設置されたエレベーターがほとんどです。
設置されていないエレベーターに関しては、年1の法定検査時に”既存不適格”という扱いになります。既存不適格というのは、エレベーターが設置された時の法律には合致しているが、現行の法律には合致していませんよというもので、UCMP(戸開走行保護装置)を設置しないといけない義務はありません。
しかし安全を考えてメンテナンス業者としては、こういった安全増しの工事を推奨していますし、国の立場としても安全の為、設置を勧めています。
京都エレベータでは、UCMP(戸開走行保護装置)の設置コストをかなり安価にする事が出来たので、リニューアル工事のご提案時には、ほとんどの機種のエレベーターでオプション扱いではなく、標準の内容としてご提案をさせて頂いています。

以上がUCMP戸開走行保護装置の解説でした。
エレベーターの用語の中には、一度説明されたけれども、どんなものだったか思い出せないなんてものもよくあると思います。
そんなときは改めてまたこの動画を見てもらえたらとおもいます。

京都エレベータのBlogやYoutubeチャンネルでは、この他にもエレベータに関する疑問やちょっとした豆知識なども含めて週2回を目安に配信をしておりますので、チャンネル登録をお願い致します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました