【エレベーター用語解説】地震時管制運転装置とは?

お役立ち情報

エレベーターのリニューアル工事の際によく出てくる、専門的な用語ってややこしくないですか?
何回か説明されたけれども、見積もりを後で見直してみたらこれって何の為につけないといけないのか思い出せないなんてこともあると思います。
今回は、そういったエレベーターの専門的な用語の1つの地震時管制運転装置について解説をさせていただきます。

地震時管制運転装置とは?

【エレベーター用語解説】地震時管制運転装置とは?

【エレベーター用語解説】地震時管制運転装置とは?

地震が発生し、ある一定以上の揺れを感知した際に、エレベーターを最寄り階で止め、かご内の人が降りられるようにするための装置です。
おおよそ震度4程度以上の揺れに対して作動し、最寄り階に到着後エレベーターの扉を開けて中の人が出られるようにします。
バッテリー装置も積んでいるので、地震などで停電して電気が遮断されて、エレベーターが停まってしまった時でも、バッテリーに電力を切り替え最寄り階までエレベーターを動かし、中の人を救出します。
2009年9月に建築基準法が改正され、それ以降に新設するエレベーターに地震時管制運転装置の設置が義務化されました。

地震感知器との違いは?

地震感知器のみ設置されているエレベーターは、おおよそ震度4程度以上の揺れに対して作動し、最寄り階に到着後エレベーターの扉を開けて中の人が出られるようにします。
地震時管制運転装置と違い、地震などの影響で停電が起こった場合は、そのまま停止してしまいます。
電力が復帰するか、メンテナンス員が到着し手動で救出するまで、中の人は出ることが出来ません。

地震の揺れには、P波とS波の2つのタイプがある

P波は初期微動という、最初に発生する小さな揺れの事で、S波は主要動といい、初期微動の後に発生する本震の事です。
P波とS波というと覚えにくいですが、P波の”P”とは、primary(最初の)、S波の”S”とは、secondary(二次)というように英語で覚えておけば、日本語よりも覚えやすいかも知れません。
エレベーターの地震感知器も、このP波とS波を感知するものがあります。
P波(初期微動)を感知できれば、S波(本震)が来る前にエレベーターを最寄階で安全に停止させることもできます。

設置するかどうかの判断基準

新しいエレベーターに関しては、設置が義務付けられているのでついています。
しかし2009年9月の現行法令以前の古いエレベーターの場合は、地震感知器しかついていないものや、地震感知器もついていないエレベーターもあります。

近年の主な大地震の事例

1995年(H7年)1月17日 阪神淡路大震災
2004年(H16年)10月23日 新潟県中越地震
2011年(H23年)3月11日 東日本大震災
2016年(H28年)4月14日 熊本地震
2018年(H30年)9月6日 北海道胆振東部地震
などの地震が発生しています。

今後また大きな地震な起こった際でも安心してエレベーターを使用して頂けるように、リニューアル工事の際は、地震時管制運転装置の設置をおすすめします。

以上が地震時管制運転装置の解説でした。
エレベーターの用語の中には、一度説明されたけれども、どんなものだったか思い出せないなんてものもよくあると思います。
そんなときは改めてまたこのブログやYouTube動画を見てもらえたらとおもいます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました