日本は地震が非常に多い国です。
1年間だけでも、全国各地で数百回から数千回もの地震が発生しています。
地震は、いつ・どこで起こるか分かりません。
エレベーターに乗っている最中に発生する可能性も十分に考えられます。
では、エレベーターに乗っているときに地震が発生した場合、私たちはどのような行動を取ればよいのでしょうか。
また、エレベーター自体はどのように動作するのでしょうか。
ステップ① 地震を感知
エレベーターのピットや機械室には地震感知器が取り付けられています。
この赤くて目を引く装置ですね👀
地震が発生するとこの装置が地震を感知します。
ステップ② 地震管制運転に切り替わる
地震感知器が作動するとエレベーターの制御盤に信号が送られ、地震モードに切り替わります。
およそ震度4以上の大きな揺れの場合、エレベーターは地震管制運転になります。
エレベーター内に「地震」という表示が出たり、「地震です」とアナウンスがされます。
そして、その時走行していた位置から一番近い階に自動停止します。
例えば5階のボタンを押している状態で、3階付近で地震が発生したとします。
エレベーターは5階まで上昇せず、4階に自動停止するのです。
ステップ③ エレベーターが休止する
エレベーターは自動停止した後、扉が開き乗客を外へ誘導します。
エレベーターに残って他の階に行こうとしても、階数ボタンは一切反応しません。
一定時間が経つとエレベーターの扉は閉まってしまいますが、「開ボタン」だけは反応するようになっています。
エレベーターから降りてまた乗り込もうとしても、外からは扉を開けることはできません。
また、他の階でエレベーターを呼ぶこともできません。
エレベーターは休止状態になり、保守点検をしている業者が解除するまで動かなくなります。
地震管制運転にならない場合
全てのエレベーターが地震管制運転をしてくれるのかというと、実はそうではありません。
2009年9月28日に施行された建築基準法の改正により、それ以降に新しく設置されたエレベーターには、地震感知器の取り付けが義務付けられています。
では、それより前に設置された既存のエレベーターはどうでしょうか?
残念ながら、既存のエレベーターには地震感知器の設置義務はありません🙅♀️
もちろん、安全対策として設置されているケースも多くありますが、設置されていないエレベーターも少なくないのが現状です。
もし地震感知器が付いていないエレベーターで強い揺れを感じたら、エレベーターが緊急停止して閉じ込められるのを防ぐために、まずは全ての階数ボタンをすばやく押してください。そして、最初に停止した階で、すぐにエレベーターを降りましょう。
あなたのエレベーターは大丈夫?確認すべきポイント
地震感知器が設置されているエレベーターには、写真のようなステッカーが貼られていることがあります。このステッカーは、そのエレベーターが地震時管制運転に対応していることを示しています。
普段利用するエレベーターが地震の際に安全に停止してくれるのか、ぜひ一度、このステッカーが貼られているか確認してみてください🕵️
もし貼られていなくても、管理人さんや保守点検業者に問い合わせてみるのも良いでしょう。
おさらい
地震を感知すると、エレベーターは安全を確保するため、自動で地震管制運転に切り替わります。
地震管制運転に切り替わると、エレベーターは最寄りの階まで自動で移動し、扉を開けます。
扉が開いたら、すぐにエレベーターを降りて階段で避難してください。
エレベーターはしばらくすると扉が閉まって動かなくなります。
エレベーター内から扉を開けることはできますが、外から扉を開けることはできません。
地震時はエレベーターを利用しないようにしましょう。
今回は、エレベーター内で地震に遭遇した際の適切な行動や、エレベーターがどのように動作するのかについてご紹介しました。
日頃から、ご自身が利用するエレベーターの地震管制運転への対応状況を確認したり、もしもの時の行動を頭に入れておくことで、いざという時に冷静に対応できるはずです。
この情報が、皆さんの安全対策の一助となれば幸いです✨