オイルシールとは何ぞ?【油圧式エレベーター】

保守点検

エレベーターは30,000~70,000もの部品から構成されています。
その部品の一つに オイルシール と呼ばれるものがあります。

シール
シール2

エレベーターには油圧式にしかない特別な部品です✨
今回は、 オイルシール について解説していきましょう。

油圧式エレベーターとは?

まず、油圧式エレベーターについて簡単にご説明します。
油圧式エレベーターはその名の通り、油の圧力でエレベーターを動かします。
機械室には油がたっぷり入ったオイルタンクがあります。

油圧式1

エレベーターが上昇する時は、オイルタンク内の油がエレベーター塔内にある円筒(※以下「シリンダー」という)に送り込まれます。
流れ込んだ油はシリンダー内のピストン棒(※以下「プランジャー」という)に圧力をかけ押し上げます。すると、その動きに合わせてエレベーターも上昇するというしくみです。

油圧式2
油圧式3

オイルシールって?

シリンダー内のプランジャーに圧力をかけるので、シリンダーとプランジャーの隙間から油が漏れだす可能性があります。

オイルシール1
オイルシール2

そこでその油漏れを防ぐのが、 オイルシール
オイル(油)をシール(密封)する機械部品です。

オイルシール3

ドイツでその原型が作られ、現在では油圧式エレベーターだけでなく、様々な機械の中に組み込まれています。
特に機械の回転軸の軸受け部を密着し、潤滑油をはじめとする各種の流体(水や薬液)の外部への漏れや外部のダストなどの侵入を防ぎます。

オイルシール4

シリンダーとプランジャーの隙間にこのオイルシールを付けると、油の漏れを防ぐことができるのです。

オイルシール5

オイルシールの劣化

オイルシールは一度付ければ永遠に使えるものではありません。使い続けていれば劣化していきます。油の漏れを防ぐという機能が低下し、油が漏れ出してしまうのです😣💦
油が漏れだすとその分圧力が抜けていきます。
そうすると、エレベータから異音がしたり圧力不足によって着床時に段差ができてしまうのです。

劣化1
劣化2

オイルシールの交換

オイルシールはある程度の年数が経つと取り換えをおこないます🧑‍🔧

交換1

エレベーターを上昇させ、下降しないように固定した状態で圧力を抜いていきます。

交換2
交換3

このエレベーターは間接式といって、シーブを介してエレベーターを動かしているので、シーブを取り外す必要があります。

交換4
交換5

シリンダーからオイルシールが付いているメタル部を取り外します。

交換6
交換7

オイルシールを取り外します。

交換8
交換9
交換10

交換11

新しいオイルシールをメタル部に取り付け、元に戻していきます。

交換12
交換13
交換14
いかがだったでしょうか。
この小さな部品がエレベーターの乗り心地を変えているなんて驚きですよね😧
オイルシールは油圧エレベーターにとって大事な部品だということが分かっていただけたのではないでしょうか。
次回の部品紹介もお楽しみに♪


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